ミニカーの歴史

古物も含めますと多くのミニカーが世界中で流通しております。このミニカーの始まりについて興味を持っていたところ、先日入手しました書籍(「世界のミニカー (カラーブックス 127) 文庫 – 1967/8/20 中島 登 (著)」)に記載されておりましたので時系列でまとめました。

世界的にはミニカーは100年以上の歴史を持っております。ちなみに実物のT型フォードが登場したのは1908年です。一方、日本国内にミニカーが登場するのは戦後10年以上経った1959年(昭和34年)で、旭玩具製作所がトヨペットクラウンを発表してからです。ちょうど高度経済成長のはじめです。この頃になって日本でも人々の生活に余裕が出てきた様子がミニカーの歴史からも伺えます。日本では人気のトミカですが、その歴史は意外と浅くて1970年(昭和45年)にミニカー市場へ進出しております。

  • 1914年(大正三年)トゥトスィトーイで知られるアメリカのダウスト・マニュファクチャー社が亜鉛鋳造方式でT型フォード・モデルを製作。このミニカーは1,500万台も生産されたと伝えられる。
  • 1920年代(大正9年〜昭和4年)アメリカのダウスト・マニュファクチャー社がオールズモビル、ビュイック、各種のトラックなどを製作。フランスのAR、ソリド、イギリスのブリテン、スカイバード、ジョーンヒルなどの各社が前後して若干の自動車モデルを発表。
  • 1934年(昭和9年)トゥトスィトーイが、ラサール、グラハムの一群、リンカーーン。ゼファーなどをあいついで発表。イギリスのディンキートーイのメカノ社がミニカーの製作に着手し、クライスラー・エアフロー、ロールスロイス、ダイムラーなど、数々の名車がモデル化される。
  • 1935年(昭和10年)鉄道模型のメーカーとして知られているドイツのメルクリン社が、ヒットラーの愛用車グロッサーメルセデスをはじめ、ホルヒ、アドラージャライ、フォルクスワーゲンなどの車を精度の高いミニカーとして発表。
  • 1947年(昭和22年)イギリスのレズニー社が会社設立。1950年(昭和25年)よりマッチボックス (MATCHBOX)の製造開始。
  • 1956年(昭和31年)イギリスのメットトーイ社がコーギートーイ (CORGI TOYS)の製造開始。
  • 1956年(昭和31年)倉持商店が米国ラインマー社の依頼でアメリカ向け輸出用のフリクション付きモデル、フォード・デリバリーバンを製造。
  • 1959年(昭和34年)旭玩具製作所がモデルペットシリーズ、トョペットクラウンを発表。
  • 1961年(昭和36年)大盛屋酒井通玩具がアンチ鋳造によるフリクション入りのスバル360を発表。
  • 1962年(昭和37年)中山商店がミニチュアペットの商標でオペルカピタンを発売。
  • 1965年(昭和40年)米沢玩具がダイヤペット・ブランドを発売。
  • 1970年(昭和45年)トミー工業がトミカ・シリーズを開発して新たにミニカー市場に進出。日本におけるミニカー産業に急激な発展をもたらす。
  • 1973年(昭和48年)永大が高度成長期の建設ブームに着目して、小型建設車をテーマとしたグリップゼッケン・シリーズを発表。
  • 1974年(昭和49年)新正工業が建設車と公共トラックを主体としたミニパワー・シリーズを発表。同年8月にバンダイがエアポート・シリーズを発売。